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10年前の映画。CTY OF GOD.

ブータンは世界で一番幸せを感じる国なんだそうだ。
夢を追って叶えることが何より幸せなんだそうな。
30年以上前、白いお家、暖炉の前、隣にはあなた〜♪あなた〜♪の唄がヒットしたそうな。
常に前向きポジティブシンキングが素晴らしいのだそうな。


CTY OF GOD。そんな妄想が、生まれも育ちも裕福な者のみが許される特権であることを、この映画を見れば嫌と言う程思い知らされる。

舞台はブラジル、リオデジャネイロの大都市に存在する貧困地区「ファヴェーラ」。そこは富からあぶれた者達が社会的な整備もまま成らぬまま追いやられた神の街。

貧困ゆえに子供達は簡単に麻薬売買に手を染め、銃を手にし、簡単に人を殺す。神の街では人の命に重さ等無い。人間には殺された運の悪いヤツと、殺されずに生き残った運の良いヤツの二種類しかいない。

貧しさは、暴力の入り口であり、暴力は貧しさから抜け出せないスパイラルの加速装置だ。全てが必要悪の街。ブラジルの豊かさのツケを全て引き受ける神の街の物語。

この映画から私たちは何を感じ取ればいいのだろう。
残酷で衝撃的な映画、という単純なものじゃない。
この映画を通して製作した側が何を受け止めて欲しいのか、それを考えることが、この物語の意義なんじゃないか。

日本がテレビのCMで流し続ける、ザ・幸せ映像。それにあぶれた者たちは負け組と安っぽく括る視野の狭い風潮。

ブラジルの大都市に影のように寄り添い、存在するスラム街。光があれば必ず影がある。
光の中だけを進む事のみを推奨する今の日本の子供達の育て方や将来のビジョンはただのハリボテなんだと、どうして大人達は誰も教えないんだろう。

光の中だけを進もうとするな。生きることの影や闇を引き受ける強さを持つ事が何より大事なんだ。

全ての人間が幸せな世界なんか絶対に存在しない。この先も世界は富める者とそのツケを背負わされた者が混在したまま、在り続けるんだろう。

前世、来世はよくわからないが、背負わされる者に自分もいつか生まれ変わることがあるんだろうか・・と考えたりする。

ただ、必要以上に人が死ぬ世界は誰も望んではいないんだ。



息抜きにラクガキを載せます。絵と文全然関係ないね。
10年前の映画。CTY OF GOD._c0123132_104452.jpg

by reikul | 2012-04-01 22:55 | 雑記

★★天使喫煙★★

2009年から色々と人生漂流記。


by reikul
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